複利を活かす#4: ベストな資金管理はこれ!投資の "複利" を徹底検証

複利を活かす#4: ベストな資金管理はこれ!投資の

この記事では、以下をご紹介します。

1.自分の投資が "複利" か "単利" かを見分ける方法
2.現時点で筆者が考える「資金管理」の最善手
3.「ちゃんと上手くいくか」の検証結果(Python)

※ 手元でもできるようにGoogleシートも用意しています

※「結論だけ教えてくれ」という方は、3.結論:ベストな資金管理はをお読みください。

投資に "複利" を活用する

あなたは、

  • 自分の投資が "複利" か、"単利" か分かりますか?
  • 投資で思うような成果が出ていますか?
  • "複利" をどのように活用すれば良いか知っていますか?

複利は非常に強力です。しかし一方で、理解せずに使うと「利益がでるはずなのに "何故か" 損してしまった」という事態に陥ってしまいます。

「スゴイけど、危ない」

この記事では、そんな複利の「活用方法」を根拠とともにご紹介したいと思います。

余談)「複利といえばアインシュタイン」と思って調べてみたら、実は「アインシュタインが『複利は人類史上最大の発見』と言った」という類の話は間違いのようです。いい加減な情報が出回っているんですね。こわいこわい。

参考1:アインシュタインは「複利は人類史上最大の発見」と言ったか?

参考2:「複利」を認めなかったことがアインシュタインの生涯最大の誤り

複利を活かす#4:ベストな資金管理はこれ!投資の "複利" を徹底検証

  1. あなたの投資は複利?単利?
    1. 資金管理をしていない → リスクがチグハグ
    2. 取引量が口座残高によって変動する → 複利運用
    3. 取引量が一定 → 単利運用
  2. 検証して確かめる
    1. 複利(定率)は、大きな利益を狙えて破産強度も高い
    2. タートルズの資金管理(単利ベース、一定期間の複利と損失による調整)
    3. タートルズの資金管理(複利ベース、一定期間のDDによる調整)
    4. おまけ:リスクがチグハグ
  3. 結論:ベストな資金管理は
  4. 自分でも検証ができる「Googleシート」をプレゼント

1.あなたの投資は複利?単利?

あなたは、自分の投資が「複利による運用なのか」「単利による運用なのか」把握しているでしょうか?

この記事を最後までお読みいただければ実感していただけると思いますが、「複利か単利かの違い」は「長期的な投資の結果」に多大な影響を及ぼします。

もし、あなたがこれらの違いを把握できていないとしたら、以下について考えてみると良いかもしれません。

  1. 資金管理をしているか
  2. 取引量は「口座残高によって変動する」のか「常に一定」か

また、単利と複利の違いについては以下の表を見比べてみるのが一番分かりやすいと思います。

年利40%での "単利" 運用の例

1年 2年 3年 4年 5年 10年 20年 30年
140万円 180万円 220万円 260万円 300万円 500万円 900万円 1300万円

年利40%での "複利" 運用の例

1年 2年 3年 4年 5年 10年 20年 30年
140万円 196万円 274.4万円 384.2万円 537.8万円 2892.5万円 8億3668.3万円 242億143.2万円

※ 税金は除外しています

もし、上記を見比べても分からない方は以下の記事を読んでみてください。

目次へ

1-1.資金管理をしていない → リスクがチグハグ

そもそも資金管理をしていないという方は、十中八九「 "複利" 運用」になっています。しかも、リスクを固定していない「 "チグハグ" な運用」です。2.検証して確かめるで分かりますが「最も破産の可能性が高い」運用方法です。

この場合、問題なのは以下の2点です。

  • リスクを固定していないこと
  • リスクを取りすぎてしまうこと

最も問題なのは「リスクを取りすぎてしまうこと」です。

資金管理をしていない人は、当然、「そのトレードでどの程度の損失がでるのか」という「取引あたりのリスク」を把握できていません。分からない状態での「これくらいかな」の取引量は、得てしてリスクを取りすぎているケースが多いです。

資金管理をしていないほとんどの方は、この記事にでてくる「取引あたりのリスク」をみると、「そんなに少ないの!?」と驚くと思います。

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1-2.取引量が口座残高によって変動する → 複利運用

口座残高によって取引量が変動するという方は「 "複利" 運用」です。この場合、「残高に対してどれくらいの割合か」というルールがあって、それが高すぎなければ問題ありません。

複利運用の注意点としては、単利と比較すると「トータルプラスにするための条件が厳しい」ということ、「『破産の確率』が急激に上昇しやすい」ことなどがあります。

勝率とリスクリワード比による投資の「損益均衡点」「損益分岐点」

上図は、「損益が均衡する(±0になる)ための勝率とRR比」の関係を表しています。単利は、リスクが何%であっても変わりないので4本が重なって描画されています。

勝率40%のときに損益が均衡する(±0になる)ためのRR比

  • 単利2%~20%いずれも:RR比 1.5倍
  • 複利でリスク2%:RR比 1.5384倍
  • 複利でリスク5%:RR比 1.5995倍
  • 複利でリスク10%:RR比 1.712倍
  • 複利でリスク20%:RR比 1.9877倍

ここでポイントになるのは、「勝率が高くて低リスクの場合、単利と複利にあまり差が生じない」ということです。この点を理解すると、複利を効率よく活用することができます。

「破産の確率」の「単利と複利(定額と定率)の違い」については、以下の記事に掲載されているグラフを比べてみるのが分かりやすいと思います。

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1-3.取引量が一定 → 単利運用

取引量が常に一定の方は「 "単利" 運用」ですね。

ここまでの解説を読むと「『 "複利" 運用』には問題がある」と捉えられると思いますが、実はそんなことはありません。順を追って解説していきますが、「 "単利" よりも "複利" の方が良い」というのがボクの結論です。

この記事を最後まで読むと、おそらく納得してもらえると思います。

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2.検証して確かめる

論より証拠。分からないことは検証してみるのが一番です。

ここからの検証で使う「勝率」「リスクリワード(以下、RR)」は、「破産の確率」がギリギリ1%未満になる数値を使っています。以下に掲載する図の赤丸の箇所です。

まず、単利(定額)の「破産の確率」の場合です。

定額(単利)の「破産の確率」表
  • 定額(単利)、勝率30%、RR3、リスク2%:破産の確率 0.16%
  • 定額(単利)、勝率50%、RR1.2、リスク2%:破産の確率 0.02%

次に、複利(定率)の「破産の確率」です。

定率(複利)の「破産の確率」表
  • 定率(複利)、勝率30%、RR3、リスク2%:破産の確率 0%
  • 定率(複利)、勝率50%、RR1.2、リスク2%:破産の確率 0%

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2-1.複利(定率)は、大きな利益を狙えて破産強度も高い

まずは、シンプルな「単利運用」と「複利運用」で比較してみたいと思います。破産の確率で言うところの、「単利運用=定額の『破産の確率』」「複利運用=定率の『破産の確率』」です。

トレンドフォローを想定した検証

項目 単利運用 複利運用
元金 100万円 100万円
破産の基準 10万円 10万円
勝率 30% 30%
RR
リスク 2% 2%
1セット 1000取引 1000取引
検証 100セット 100セット

※ RR=リスクリワード比率、リスク=取引あたりにとるリスク

まずは単利の検証結果です。縦軸は、比較しやすいように対数目盛にしています。

単利の資金管理の検証結果 勝率30% RR3

次に、複利の検証結果です。

複利の資金管理の検証結果 勝率30% RR3

この2つの検証結果を比べると、以下のような違いがあることが分かります。

複利の方が大きな利益になる可能性がある
複利は最大で100万円が10億円になっている。単利は最大で100万円が800万円程度。
複利の方が破産強度が高い
複利は破産0回。単利は4回破産している。

単利が破産してしまう理由は「連敗」です。連続しなくても良いのですが、「単利でリスク2%」の場合勝ちよりも負けの回数が45回多いと(10万円を基準としているため)破産となります。一方で複利の場合は、負けが続くと、資金の減少にあわせてリスクも小さくしていきます。そのため、破産に対する強度が増します。

1-2に掲載したグラフから、 「勝率30%、リスク2%」の場合の「損益分岐点」は以下になります。複利での運用は、少しだけ利益を多くする必要こそありますが、大きな差はないことが分かります。であるのにも関わらず、利益の可能性は複利の方がはるかに大きいのです。

「勝率30%、リスク2%」の場合の「損益分岐点」

  • 単利:2.3333
  • 複利:2.4134

勝率重視の手法の検証

勝率30%でRR3倍というのは、長期のトレンドフォローを想定しています。もう少し勝率を重視した手法の検証もしてみました。

項目 単利運用 複利運用
元金 100万円 100万円
破産の基準 10万円 10万円
勝率 50% 50%
RR
リスク 2% 2%
1セット 1000取引 1000取引
検証 100セット 100セット

※ RR=リスクリワード比率、リスク=取引あたりにとるリスク

単利の資金管理の検証結果 勝率50% RR1.2
複利の資金管理の検証結果 勝率50% RR1.2
  • 勝率が上がった分、破産の回数が減った
  • RRが下がった分、全体の収益が落ちた
  • 同じ期間に同程度の取引回数がある手法においては、低勝率・高RRの手法の方が良いようである

勝率重視は短期の手法であるケースが多いので、「どっちが良いのか」は一概には言えないところです。RRが大きくなればなるほど、取引日数が必要になります。

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2-2.タートルズの資金管理(単利ベース、一定期間の複利と損失による調整)

「タートルズの資金管理」は、実は2つの捉え方があります。その違いとは、「単利ベースなのか」「複利ベースなのか」です。この点について明記されていないため、どちらが正解かは分かりませんが、話は簡単です。検証してみて良い方を使えば良いだけですから。

というわけで、まずは単利ベースから見ていきます。

項目 テスト1 テスト2 テスト3 テスト4
複利の期間 100回 100回 100回 100回
元金 100万円 100万円 100万円 100万円
破産の基準 10万円 10万円 10万円 10万円
勝率 30% 30% 30% 50%
RR 1.2
リスク 2% 4% 6% 2%
1セット 1000取引 1000取引 1000取引 1000取引
検証 100セット 100セット 100セット 100セット

※ RR=リスクリワード比率、リスク=取引あたりにとるリスク

  • 「一定期間」の代用として「一定回数ごとの複利」としている
  • 一定回数内はリスクを固定(単利運用)
  • 一定期間ごとに損益に応じてリスクを調整(複利運用)
  • 元金からみて損失が発生している場合は、さらにリスクを調整し破産強度を高める

テスト1(勝率30%、RR3、リスク2%)

タートルズの資金管理 単利ベース 検証 勝率30% リスクリワード3 リスク2%

シンプルな単利運用と比較すると、「収益」「破産強度」ともに改善されています。かなり優秀です。

テスト2(勝率30%、RR3、リスク4%)

タートルズの資金管理 単利ベース 検証 勝率30% リスクリワード3 リスク4%

リスクを倍にしてみました。破産が1回。「収益」がさらに改善されている上に、シンプルな単利運用よりもリスクをとっているにも関わらず「破産強度」も依然として改善されています。

テスト3(勝率30%、RR3、リスク6%)

タートルズの資金管理 単利ベース 検証 勝率30% リスクリワード3 リスク6%

「収益」はさらに改善されましたが、さすがに「破産」が増えますね。「収益」は魅力的ですが「破産」が多発している以上、実戦に採用することはできません。

テスト4(勝率50%、RR1.2、リスク2%)

タートルズの資金管理 単利ベース 検証 勝率50% リスクリワード1.2 リスク2%

悪くはないですが、RRが低いからか「収益」が少し見劣りします。あとは、その手法の「取引日数」次第ですね。

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2-3.タートルズの資金管理(複利ベース、一定期間のDDによる調整)

次に、複利ベースの「タートルズの資金管理」を検証してみます。

項目 テスト1 テスト2 テスト3 テスト4
リスク調整 100回 100回 100回 100回
元金 100万円 100万円 100万円 100万円
破産の基準 10万円 10万円 10万円 10万円
勝率 30% 30% 30% 50%
RR 1.2
リスク 2% 4% 6% 2%
1セット 1000取引 1000取引 1000取引 1000取引
検証 100セット 100セット 100セット 100セット

※ RR=リスクリワード比率、リスク=取引あたりにとるリスク

  • ドローダウン(以下、DD)が発生している場合は、リスクを調整し破産強度を高める
  • DDによるリスクの調整は一定期間ごとにリセットする

テスト1(勝率30%、RR3、リスク2%)

タートルズの資金管理 単利ベース 検証 勝率30% リスクリワード3 リスク2%
項目 単利 複利 タートル単利 タートル複利
最高残高 800万円 10億円 1.1億円 1.5億円
破産回数 4回 0回 0回 0回

複利ベースにしたことで「収益」が改善されていますが、もっとも成績が良いのはダントツで「シンプルな複利運用」ですね。

テスト2(勝率30%、RR3、リスク4%)

タートルズの資金管理 単利ベース 検証 勝率30% リスクリワード3 リスク4%

テスト3(勝率30%、RR3、リスク6%)

タートルズの資金管理 単利ベース 検証 勝率30% リスクリワード3 リスク6%
項目 リスク2% リスク4% リスク6%
最高残高 1.5億円 60億円 500億円
破産回数 0回 0回 7~8回

複利ベースの「タートルズの資金管理」を用いると、大きくリスクをとることができるようになる分、「収益」が大きく改善されます。非常にうれしいことですが、1点注意しなければいけないのは、「高リスクの『タートルズの資金管理』は損失で終えるテストも多い」ということです。この点を考えると、シンプルな複利運用がもっとも良いバランスなのかもしれません。

テスト4(勝率50%、RR1.2、リスク2%)

タートルズの資金管理 単利ベース 検証 勝率50% リスクリワード1.2 リスク2%

同条件の「単利ベース」のものと比較すると、やはり「収益」が改善されています。同条件下であれば、「単利ベースよりも複利ベースの方が優秀である」ということが言えそうです。

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2-4.おまけ:リスクがチグハグ

最後に、資金管理をしていない場合の検証をしてみたいと思います。

元金 100万円
破産の基準 10万円
勝率 30%
RR
1セット 1000取引
検証 100セット

※ RR=リスクリワード比率、リスク=取引あたりにとるリスク

リスクは、1%~30%でランダムに取るように設定されています。

資金管理をしていない リスクがチグハグ 検証

ここまでやってきた検証のリスクは最大で6%。この検証は、最大で30%。実は、これだけで負けが確定しています。資金管理をしていないと、「リスクが固定されていない(チグハグである)ということ」よりも、「時折、大きくリスクをとってトレードしてしまうこと」が、ホントに良くないです。

ちなみに、臆病でリスクを小さくしすぎるのも良くありません。「収益」が全然ついてこないからです。「それ投資する意味あるの?」ってことになります。

検証の結果は「すべて破産」でした。こわいこわい。

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3.結論:ベストな資金管理は

今回のテストを通じて、現時点でボクが考える「ベストな資金管理」は、以下の2つです。

シンプルな複利

複利の資金管理の検証結果 勝率30% RR3

2-1の「シンプルな複利

複利ベースの「タートルズの資金管理」でリスクを倍とる

タートルズの資金管理 単利ベース 検証 勝率30% リスクリワード3 リスク4%

2-3.タートルズの資金管理の「テスト2(勝率30%、RR3、リスク4%)

「収益」を求めるなら、複利ベースの「タートルズの資金管理」にしてリスクを倍とるのが良いと思われます。とりあえず「破産」もありません。しかし、全体のバランスや、とくに「損失で終わる回(セット)が少ない」という点で「シンプルな複利」も捨てがたいところです。

当然ですが、手法が良ければ破産など考えなくても良くなります。

「シンプルな複利」で手法を改善

勝率:30%、RR:3 → 勝率:35%、RR:4

複利の資金管理の検証結果 勝率35% RR4

「複利ベースの『タートルズの資金管理』でリスクを倍とる」で手法を改善

勝率:30%、RR:3 → 勝率:35%、RR:4

タートルズの資金管理 単利ベース 検証 勝率35% リスクリワード4 リスク4%

いずれにしても「複利はマスト」が今回の結論です!
つまり、以下のようにするのが良さそうです。

  1. 最大リスクが2%(4%)になる「サイズと損切りライン」でエントリー
  2. 決済した利益を含めて次のトレードの「サイズと損切りライン」を決定

※ 4%にする場合はドローダウンに応じた調整が必要

※ 勝率やRRによっては、もっとリスクを取れるケースもあります。上記はギリギリのライン

つまり、ちゃんと理解して使えば、複利はこわくありません!!

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abbamboo

タカハシ / 兼業トレーダー

このブログは、「後で振り返るための備忘録」「アウトプットして理解を深めること」を1番の目的としています。また、アウトプットを収入源の一つにするために「トレードで "儲けるため" に学んだこと」を徹底的に公開していきます。

更新は、SNS や LINE@ などでお知らせしています。

はじめに(このブログと著者について)

Investment Tech Hack

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