積立投資まとめ&Excelシミュレーション

Posted on April 15th, 2020Updated on May 11th, 2022
積立投資まとめ&Excelシミュレーション

どんな記事?

この記事では、投資歴7年の筆者が、

  • 実際に行っている積立投資
  • 投資の根拠

について、シミュレーションや検証の結果 を交えながらまとめています。

記事の更新

2021年11月07日
「ダメになるケース」に追記、「ドルコスト平均法」「運用上の注意点」を追加。

2022年5月11日
「一括投資 vs 積立投資」「投資信託 vs ETF」「為替ヘッジあり vs なし」を追加。「ドルコスト平均法」「運用上の注意点」に追記。全体を読みやすく調整。

老後に備える投資

ここにまとめている情報は、筆者が実際に行っている投資とその根拠です。

具体的には、

  • 米国株にコツコツ積立投資
  • 数十年という非常に長期的な運用

ということをやっています。

筆者は元々「積立投資なんて妙味がない」と思っていましたが、色々な情報に触れるうちに魅力を感じるようになり、現在では非常に有力な投資先のひとつだと感じています。

筆者は裁量のスイングトレードや比較的短期の自動売買など他の投資も多く行っていて、自動売買については今後もどんどん数を増やしていくつもりです。この記事で紹介する投資は、筆者にとって数ある分散投資の中のひとつという位置付けになっています。

老後までに確保する最低限の資産

この記事で紹介する積立投資は、筆者にとって「老後までに確保する最低限の資産」です。つまり、筆者の人生の資産運用における「最後の砦」であり、最大の「リスクヘッジ(保険)」としています。

積立投資の他にも「攻めた投資」をしているので、(筆者はそうならないと考えていますが)最悪の場合、「どれも上手くいかない」ということがあるかもしれません。そうすると、借金にはなりませんが「お金が増えない」「原資が底をつく」ということになりかねません。

そんな最悪のケースであっても、これくらいの資産は老後までに作れる

そういう投資です。

当然、「長期の積立投資なら何でも良い」というわけではありません。誤った選択をすれば「全く儲からない」「損してしまう」ということがあり得ます。

一般的で簡単に思える投資だからこそ「何に投資するか」や「投資方法」「投資の根拠」が重要です。

目標金額

老後に向けた目標金額:1億円

ずばり、1億円です。

ゆとりある老後生活を送るには、ひとりあたり約3300万円の老後資金が必要だと言われています。1億円あれば3人分です。

「1億円をつくることは困難だ」と感じている方が非常に多いと思いますが、実は、時間を味方につけてしまえばそれほど難しいことではありません。

誰でも億万長者になれる残酷な世界

 これも何度か書いた話ですが、人生の岐路にあった私に大きな影響を与えた本にトマス・スタンリーとウィリアム・ダンコの『となりの億万長者』があります。
(中略)
スタンリーとダンコは、「収入の10~15%を貯蓄に回す倹約を続けていれば、誰でも億万長者になれる」と説きます。正確には「平均年収の倍の収入」が必要ですが、これは夫婦2人で働けば達成できます。

引用元: お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ(P.39~P.40)

本当に「誰でも億万長者になれる」のか、簡単なシミュレーションで確認してみたいと思います。

シミュレーション

サクッと確認するのに便利なのがExcelやGoogleシートといった表計算ツールです。積立投資のシミュレーションくらいなら簡単にできてしまいます。

※ 使用したGoogleシートはこちらからダウンロードできます

シミュレーションの条件

  • 年間、夫500万円、妻400万円の収入(増えも減りもしないと仮定)
  • 10%を積立(年間90万円)
  • 30歳の夫婦が65歳になるまで継続
  • 年利3%、5%、7%のシミュレーション

下図がシミュレーションの結果です。

貯蓄10%のシミュレーション

累計投資額年利3%年利5%年利7%
10%の積立3,240万円5,695万円8,625万円1億3,402万円

年利5%では1億円には届きませんが、年利7%では1億3千万円まで増えている ことがわかります。貯蓄だけの場合は3,240万円ですから、年利7%の効果が大きいことがよくわかります。サラリーマンの生涯年収は2億円程度で、このシミュレーションの場合は夫1.8億円、妻1.44億円の生涯年収で試算していますから十分現実的な範囲だと考えます。

米国株の200年の実績は年利6.7%ですから、どうやら本当に誰でも億万長者になれそうです

ちなみに、節約を頑張って10%ではなく15%の積み立てをすることができれば、2億円まで増やすことができます。

貯蓄15%のシミュレーション

累計投資額最終的な評価額
10%の積立3,240万円1億3,402万円
15%の積立4,860万円2億103万円

「平均的な収入」や「10%の積立投資」は頑張り次第でなんとかできそうですし、シミュレーションに含まれていない税金も非課税制度(後述します)を活用すれば、ほぼ問題になりません。

唯一の問題は「何に投資をするのか」です。

投資の根拠

筆者が年利7%を目指して投資しているのは、米国株 です。

この記事で解説する積立投資は「インデックス投資」と呼ばれるもので、明確な根拠があります。まず、その根拠について整理していきます。

※ もし記事の内容に異論があれば、ぜひ筆者までお寄せください。筆者が知らないことがあるかもしれません。ぜひお聞かせいただきたいです。

投資対象は?

人間の経済活動に投資する

筆者の積立投資は「人間の経済活動に投資をしている」というイメージで行っています。

数十年という時間とお金をつぎ込むには〝確固たる根拠〟が必要ですが、「人間の経済活動への投資」はそれを満たすことができると考えています。そのための投資先は2つあると思っていて、筆者はこのうち「S&P500」に投資をしています。

  • 全世界株式
  • S&P500(米国の株式市場全体)

では、なぜ「全世界株式」や「米国の株式市場」に投資をすると良いのでしょうか?

世界経済は拡大する

以下のツイートに掲載されている図が、根拠のすべてを物語っています。

これはジェレミー・シーゲル氏の書籍に出てくる有名な図で、1802~2011年の各市場の「価値の推移」を表しています。Stocksは株式、BondsとBillsは債権(長期債・短期債)、Goldは金で、Dollarは米ドルです。縦軸が対数目盛になっているので、1目盛りが10倍を表します。

これを見ると、「株式が安定的で投資効率が良い」ということがよく分かります。

人間は、例えば「建物を建てて、報酬を得る」といった経済活動を日々行っていますが、このとき、当事者間の「建てた労力」と「購入する対価」に加えて「建物という価値」が残ります(当事者の等価交換に加えて価値が残る)。そして、その価値は(基本的には)蓄積されていきます。

まとめると、

経済は拡大し続ける

  • 株式市場は人間の経済活動を反映する
  • 株式市場は200年ものあいだ拡大を続けている
  • 平均した1年あたりの利益率は6.7%(Stocks: 6.7% Real)
  • 人口の増加や経済発展が続く限り、その傾向も継続する(はず)

ということです。これが「『全世界株式』や『米国株』への投資が良い」としている根拠です。

参考:世界人口の推移

人口推移グラフ ~2050

世界人口の推移グラフ - 国連人口基金 駐日事務所

世界一の国に投資する

筆者は「全世界株式」ではなく「S&P500(米国株)」に投資をしています。好みもあるのですが、ここにはちゃんと筆者なりの理由があります。

圧倒的な経済成長

下図は「主要国のGDPの推移(米ドルベース)」ですが、米国の経済規模が圧倒的であることがわかります。

TradingView

2枚目の画像を確認すると、米国だけで世界の4分の1 を占めていることがわかります(全世界が84.747Tドル、米国が20.937Tドル)。

この背景には、「人口の増加」や「成熟した株式市場(資本主義)」があります。

新興国への投資は合理的ではない

米国以外の国の株式市場が「成熟していない」という理由もあります。

経済成長の著しい国として中国やインドが挙げられますが、これらの国は、

  • 投資の手段が限られる
  • 投資するのに余分なコストが掛かってしまう
  • カントリーリスクが(相対的に)高い

等といった弱点があります。

これらの国に低コストで投資できる投資信託があるのですが、それでもS&P500の投資信託と比較するとコストが高いと感じています。

全世界株式の半分は「米国株」

全世界株式の投資信託にしても、その内訳の半分は米国株が占めている(※)ということもあります。

※ 詳しくは全世界株式の交付目論見書をご確認ください

結局は好み

つまるところ「米国への投資か」「世界への投資か」の選択になると考えていて、筆者は米国を選んでいる(合理的だと考えている)ということです。どちらも「人間の経済活動に投資する」という目的は達成できると思うので、どちらを選んでも大きな問題にはならないと思います。

現代ポートフォリオ理論

インデックス投資は(中略)あくまで「最小限の労力で」「平均点を取れる」っていう投資手法

以前、見かけたツイートに上記のようなものがありましたが、これを証明したのが「現代ポートフォリオ理論」です。1952年にハリー・マーコウィッツによって発表(※1)され、その後の研究の結果、マーコウィッツは1990年にノーベル経済学賞を受賞しています。

※1 Markowitz, Harry M. (1952), “Portfolio Selection”, The Journal of Finance 7 (1): 77-91,doi:10.1111/j.1540-6261.1952.tb01525.x, JSTOR 2975974

この理論はかなり知られていて、「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015(何年も前の本ですがおすすめです!)」でも以下のように取り上げられています。

複数の株を組み合わせた方が、同じリスクでより高いリターンが期待できることを数学的に証明した

統計学の手法を使って「もっとも効率的なポートフォリオとは市場全体に投資することである」という発見をした

引用元: お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ

市場全体の成長を前提とするならば、わざわざ色々な銘柄で売買しなくても市場全体に投資をすれば平均的なリターンを得ることができる ということです。

この「平均的なリターン」が「年利7%」のことで、7%あれば資産1億円を達成できるので十分だと思っています。

ドルコスト平均法

毎月、一定額を買い増していく積立投資のことを「ドルコスト平均法」と言います。

市場が活況でも金融ショックがあっても変わらず買い続けることで、購入平均価格が平均株価よりも安くなります。

これは「投資におけるリスクをゼロにする」ということではありませんが、最小工数で効果的にリスクを軽減すること ができます。

何が有利なのか

よく言われる「積立投資(ドルコスト平均法)が有利」という話は、「チャンスを狙った売買」と比較したもの です。

「チャンスなんて誰にも(ごく一部のプロを除く)分からないし、売買すると余計なコスト(手数料や税金、考える時間)が掛かるから積立投資が良いよね」ということです。

「チャンスが分からない」や「余計なコスト」はリスクですから、最小工数でそういうリスクを軽減することができるということが「合理的であり有利である」ということです。

ダメになるケース

さて、良いことばかり書いてきましたが、投資には必ずリスクがあります。投資をするなら情報を盲信するのではなく、リスクをあらかじめ整理しておく必要があります。

想定されるダメになるケース

  1. 米国が経済発展できなくなる
  2. サービスが変わってしまう
  3. 終わり間近で金融危機が起こる
  4. 長期間の世界大恐慌が起こる
  5. 積み立てができなくなる

米国が経済発展できなくなる

長期的に上がったり下がったりしながら結果もみ合いになってしまうケースです。バブル以降の日経平均みたいなイメージです。資産1億円を期待しながら、結果、ただの貯蓄で終わってしまうかもしれません。悲しいですが、貯蓄分はムダにはなりません。

サービスが変わってしまう

仕組みが変わり投資ができなくなることがあり得ます。全世界株式やS&P500への積み立ては、制度が充実したりインターネットが普及したことによって新たに生まれた投資方法ですが、それができなくなってしまうケースです。

終わり間近で金融危機が起こる

2020年のコロナ・ショックのようなことが積立投資の終盤で起こるケースです。それまでの利益でウキウキしていますから、精神的なダメージが大きいと思います。例えば25年以上の期間を経ていれば、積み立てた元本を割ることはないんじゃないかなと考えています。ただし、世界大恐慌が繰り返されると元本割れがあり得ます。

長期間の世界大恐慌が起こる

これは実際に過去に起きたことです。1929年に起こった世界大恐慌以降、株価が高値を更新するのに25年もかかりました。3年で最安値をつけてそれ以降は上昇傾向ですから、長期的に積み立てを続けるなら(ココ大事です)問題のないことではあります。しかし、数十年ものあいだ高値を更新できていないという事実は想像以上にキツイです。積み立ての初期であればあるほどダメージは少ないですが、後半で起こると最悪の場合、元本を割れて貯蓄の効果も見込めません。こういうことが「あり得る」という覚悟は必要です。

世界大恐慌時のNYダウ

TradingView

積み立てができなくなる

「収入の減少」や「突然の出費」等、いつでも起こり得ます。これについては、ただただ頑張るしかないです。

インデックス投資はいつか終わる?

  • パッシブ運用がアクティブ運用よりもアウトパフォームするというのは正しい
  • しかし、昨今は年金や投資信託の資金がインデックスに過剰に集中している
  • その揺り戻しが起きる可能性は否定できない
  • ただし、それが5年後か10年後か、はたまたもっと先のことかは分からない
  • その事例が1989年の日本
  • 当時バブルの絶頂で PER が60倍もつけているのに皆それを盲信してどんどん買い増していた
  • 結果バブルははじけてそこから持ち直すのに20年30年かかっても達成できていない
広瀬隆雄さん(じっちゃま)のTwitterより

パッシブ運用(インデックスへの積立投資)が他の投資よりも効率が良いということは間違いないですが、「現在はバブルの様相を呈していて、いつかはじけるかもしれない」ということを言っています。

とは言え「バブルがいつはじけるか」なんてわかりませんから、頭の片隅に起きつつ「コツコツ積立投資をするしかない」というのが結論です。

世界大恐慌のときも、25年もの間、最高値を更新することができませんでしたが、大きく資産が減ったのは最初の4年間です。恐らく(細かくシミュレーションしていませんが)、その後、10年くらい積立投資を続けていれば資産は回復したはずです。

最悪のシナリオは、積立投資の終盤で世界大恐慌が起こるケースです。それ以外のケースは、よっぽどの環境の変化がない限り、粛々と積立投資を続けることが最良の選択になると考えています。

投資方法

ここからは投資方法について解説します。

筆者は、少ない工数で投資の平均点を取ること を目指しています。銘柄を入れ替えるということもしませんし(必要とも考えていません)、毎月の購入作業も定額の自動購入にしています。積立投資では徹底して効率を求めています。

数十年続けていく投資に工数はかけていられないので、自動化してしまうのがオススメです。自動化の設定をすることで「投資をやめる手間 > 続ける手間」となって投資を続けやすくなる というメリットもあります。

投資信託に積立投資

根拠を理解すれば、やることは簡単です。

やること

  1. 目標金額をざっくり決める
  2. シミュレーションして積み立てる金額を逆算する
  3. 目標金額と積立金額を決定する
  4. 非課税制度を活用した自動積立の設定をする
  5. 実行する(自動)
  6. 進捗の確認をする

目標金額と積立金額を決める

例えば、年間90万円の積立を35年継続した場合、年利3%の運用なら5000万、5%なら8000万円、7%なら1億3000万円まで増えます。貯蓄なら3200万円ですからどの結果でも大幅に増えているのですが、1億円を目指すとしたら3%や5%では少し足りません。6.7%はあくまでも200年間の平均ですから、35年を切り取るともっと低いケースもあり得ます。5%くらいで達成できるようにしておくと心強いと思います。(下図参照)

貯蓄10%のシミュレーション

ここでもし貯蓄額が足りないなら、年収に対する貯蓄の割合を増やす(節約する)必要があります。多くの場合、共働きの必要があるかもしれません。

期間が長いので負担の大きい目標では上手くいきません。最初の目標設定は、しっかり検討したいところです。

進捗の管理をする

あとは自動化の設定をして、年に数回、進捗の管理をします。シミュレーションした表計算(ExcelやGoogleシート)にその時点の金額を入力する欄をつくると進捗管理もできて便利です。

※ 使用したGoogleシートはこちらからダウンロードできます

投資する銘柄

  • eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500)
  • eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー)

筆者は楽天証券で「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に投資しています。クレジットカードを利用した自動積立の設定ができますし、SPUを絡めるとポイントもよく貯まるので重宝しています。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は最もコストの掛からない投資信託のひとつです。

非課税制度の活用

低コストで運用したとしても、普通に投資をすると決済のときに「20%の税金」が掛かってしまいます。1000万円の利益なら200万円が税金として徴収され、手元に残るのは800万円です。

しかし、「つみたてNisa」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といった税金が免除される制度 があります。

例えば年間90万円の積み立てをするとなると、「つみたてNISA」には年間40万円の上限があるため枠が足りません。この場合は、夫婦で積み立てたり「iDeCo」を活用するなど、上手く使い分ける必要があります。

NISAつみたてNISAiDeCo
年間投資額120万円40万円14.4万円~81.6万円
拠出時課税課税非課税
運用時非課税非課税非課税
運用期間5年20年加入から60歳まで
途中換金できるできるできない

「NISA」と「つみたてNISA」は併用できないので、どちらかを選択する必要があります。「iDeCo」については年金の加入状況によって投資額が大きく変わりますので確認が必要です。

また、非課税での投資の可能性はマイクロ法人をつくることで大きく広がります。この点についても「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015」に詳しく掲載されていますので、気になる方は読んでみると良いと思います。

一括投資 vs 積立投資

上昇することが分かっているなら、早くに多くの資金を投入した方が利益が大きくなります。つまり、一括投資の方が良い結果になる ということです。

一方で、積立投資(ドルコスト平均法)は、価格が上下を繰り返す中で「リスクを軽減」します。これは「利益を増やす」というよりは「安心できる投資」という側面が強いと思います。

利益の増加安心できる投資
一括投資
積立投資

オススメはできませんが、筆者は「一定額の積立」ということにはこだわらず、浮いたお金をどんどん米国株に投資するようにしています。

投資信託 vs ETF

株式市場に上場S&P500と連動する銘柄
A投資信託eMAXIS slim 米国株式(S&P500)
BETFVanguard 500 Index Fund ETF (VOO)

S&P500へ投資する方法はいくつかあり、株式投資と同じように売買できるETFというものがあります。これも好きな方を選べば良いのですが、「eMAXIS slim 米国株式(S&P500)」の方が(ほんのちょっとだけ)有利 です。

分配金 ※1米国での課税日本での課税信託報酬(年)売買手数料
A10%0%0.0968%以内掛からない
B10%20% ※20.03%掛かる ※3

※1「分配金」は「配当」のこと ※2 外国税額控除を申請すれば二重課税を軽減できる ※3 証券会社による

他にも投資信託には、「配当金の再投資にムダがない」「少額から投資ができる」「iDeCoやつみたてNISAで購入できる」等のメリットがあります。

ETFには「売買が早い」というメリットがありますが、長期投資にはあまり必要がないかもしれません。

為替ヘッジあり vs なし

為替ヘッジ円安円高ヘッジコスト
あり影響が小さい影響が小さい掛かる
なし価値が上がる価値が下がる掛からない

2022年の前半で大きく円安になり「為替ヘッジの有無」について議論されることが増えたように思いますが、これも「為替ヘッジなし」の方が合理的である と考えています。

1802~2011年の価値の推移」を思い出してください。株式市場の価値は、200年間、上昇し続けてきました。

一方で、為替というのは「米ドルと日本円のバランス」を表しています。このバランスが「長期にわたって大きく偏り続ける」というのは考えづらいことです。むしろ「数十年という期間で平均すると偏りはほとんどなくなる」と思います(つまり、長期的にはヘッジする必要がない)。

さらに「ヘッジコスト」は蓄積され続けます。

このように考えると、コストの掛からない「為替ヘッジなし」の方が合理的ではないでしょうか。

運用上の注意点

最後に、積立投資の「コツ」や「ありがちなミス」について、いくつか解説します。

暴落しそうでも決済しない、魅力的な投資商品に乗り換えない

積立投資を続けていくと、バブルの渦中で良さそうな他の投資商品に目移りしたり、バブルの崩壊で一旦決済したくなったりすると思いますが、こういう動機で投資判断をしてはいけません。

人間の心理は、投資活動において不利に働くようにできています。不安や欲に任せた投資判断は良い結果を生みません。

積立投資の期間が数十年残っているとしたら、金融危機は「安くたくさん投資できるチャンス」です。バブルの渦中で魅力的に見える投資商品には罠が潜んでいることが多いです。

ただし最後の10年は要注意

ダメになるケースの「積立の終わり間近で金融危機が起こる」で解説しましたが、積立投資の最後の10年は金融危機の初期で決済する必要があります。「金融危機」と「積立の手じまい」が重なると、利益を大きく毀損することになるからです。

積立投資の最後の10年は、通常の投資のように暴落に対して迅速に反応する必要があります。

500万円は20年後の1900万円

  • 500万円 ×( 103% ^ 20年 )= 903万円
  • 500万円 ×( 107% ^ 20年 )= 1934万円

これは運用期間を20年残して500万円を出金した場合の計算です。途中で500万円を使うことは、20年後の900万円や1900万円を使っていることになります。

安いときを狙わない

安いときを狙うことに次のような問題があります。

  • 安いときを待っている間にどんどん上がっていく(待っている間、収益機会を逃す)
  • 「いつ安くなるか」はプロでも分からない
  • 手間が掛かる

積立投資は「最小工数で平均点を狙う投資」であり、安いときを狙うのは「工数を掛けて平均点以上を狙う投資」と言えると思います。

やるならちゃんと勉強してやるべきですし、積立投資とは別の方法でやった方が効果的です。

「毎月、一定額」の決済はしない

積立投資の手じまいを考えたときに「毎月一定額の決済」という選択があると思うのですが、これは上手いやり方ではありません。

これは積立投資(毎月一定額の購入)の真逆の行為で、積立投資のメリットをデメリットに変えること になってしまいます。

アクティブ運用は慎重に

パッシブ運用インデックス(S&P500や全世界株式)などに投資すること
アクティブ運用「パッシブ運用」以上の利益を狙う投資

「アクティブ運用」が魅力的に見えることがあると思うのですが、統計をとると「平均的には『パッシブ運用』の方がコスト分有利である」という結果になります。利益を狙うのには何らかの人の手が必要で、そこにはコストが発生するからです。長期的に「パッシブ運用」以上の利益を出し続ける投資信託はごく一部で、ほとんどの「アクティブ運用」は良い結果を生みません。

筆者の自動売買も「アクティブ運用」と言えるので否定するわけではないですが、中途半端にやるくらいなら「パッシブ運用」の方が良い結果になると思います。

普通が一番

  • レバレッジを掛けた積立投資
  • 条件に応じて一時的に決済する積立投資

等を検証してみましたが、普通の積立投資が一番 でした。

気になる方は以下の記事を読んでみてください。

最も優れた積立投資は何か(検証のまとめ)

この記事は、筆者が「積立投資の良し悪しを確かめるために行った検証」をまとめたものです。検証に使用したTradingViewのPineスクリプトも公開しています。

backtesting/periodic-investment

最も優れた積立投資は何か(検証のまとめ)

まとめ

この記事で紹介した投資方法は、あくまで「最小限の労力で」「平均点を取れる」という投資方法です。

積立投資は簡単に見えますが、根拠がないと大変です。この点に注意しながら実践してもらえると良いと思います。

記事の内容や積立投資についてご質問がある方はこちらからご連絡ください。そのときの筆者の状況や内容にもよりますが、できる限りお答えしたいと思います。

シミュレーター+進捗管理シート

記事でつかった、積立投資のシミュレーションと進捗管理ができるGoogleシート を配布しています。

シートでシミュレーションや進捗の管理ができて、グラフで確認することもできます。

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yuya takahashi

タカハシ / 10年目の兼業トレーダー

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