どんな記事?
この記事では、投資歴11年の筆者が、
- 筆者が行っている積立投資
- 積立投資の根拠
- Googleシートによる管理方法
について、シミュレーションや検証の結果 を交えながらまとめています。
記事の更新
2023年11月29日
「積立投資の手じまい」「積立投資の管理」について追記し、記事全体を整えました。
2022年5月11日
「一括投資 vs 積立投資」「投資信託 vs ETF」「為替ヘッジあり vs なし」を追加。「ドルコスト平均法」「運用上の注意点」に追記。全体を読みやすく調整。
2021年11月07日
「ダメになるケース」に追記、「ドルコスト平均法」「運用上の注意点」を追加。
老後に備える投資
筆者は2020年から積立投資を実践していまして、今のところかなり上手くいっています。
- 米国株に積立投資
- 数十年という超長期運用
筆者は元々「積立投資なんて大したことない」と思っていましたが、色々な情報に触れるうちに魅力を感じるようになりました。今となっては他の投資はすべてやめてしまい、積立投資しか行っていません。
筆者にとって積立投資は「老後までに確保する最低限の資産」です。筆者の人生の「最後の砦」であり、最大の「リスクヘッジ(保険)」です。ここをしっかり確保しておけば色々な挑戦(ある意味で投資)ができますし、老後の不安はまったくありません。
(と筆者は考えています)
もちろん積立投資なら何でも良いわけではなく、誤った選択をすれば「全く儲からない」「損してしまう」ということがあり得ます。
長く続ける投資だからこそ、最初の設 計が大切です。
目標金額
老後に向けた目標金額:1億円
ずばり、1億円です。
ゆとりある老後生活を送るには、ひとりあたり約3300万円の老後資金が必要だと言われています。インフレや平均寿命の伸張等もありますが、1億円あれば3人分です。余裕があります。
「1億円をつくることは難しい」
一般的に、このように考える方が多いと思いますが、時間を味方につけてしまえば、実はそれほど難しいことではないらしいのです。
引用元: お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ(P.39~P.40)誰でも億万長者になれる 残酷な世界
これも何度か書いた話ですが、人生の岐路にあった私に大きな影響を与えた本にトマス・スタンリーとウィリアム・ダンコの『となりの億万長者』があります。
(中略)
スタンリーとダンコは、「収入の10~15%を貯蓄に回す倹約を続けていれば、誰でも億万長者になれる」と説きます。正確には「平均年収の倍の収入」が必要ですが、これは夫婦2人で働けば達成できます。
シミュレーション
本当に「誰でも億万長者になれる」のか、簡単なシミュレーションで確認してみたいと思います。
※ 使用 したGoogleシートはシミュレーター+運用管理シートからダウンロードできます(クリックするとスクロールします)
シミュレーションの条件
- 年間、夫500万円、妻400万円の収入(増えも減りもしないと仮定)
- 10%を積立(年間90万円)
- 30歳の夫婦が65歳になるまで継続
- 年利3%、5%、7%のシミュレーション
下図がシミュレーションの結果です。
累計投資額 | 年利3% | 年利5% | 年利7% | |
---|---|---|---|---|
10%の積立 | 3,240万円 | 5,695万円 | 8,625万円 | 1億3,402万円 |
年利5%では1億円には届きませんが、年利7%で1億3千万円まで増えています。貯蓄だけの場合は3,240万円ですから、年利7%の効果が大きいことがよくわかります。
このシミュレーションは、夫1.8億円、妻1.44億円の生涯年収で試算しています。サラリーマンの生涯年収は2億円程度なので、十分、現実的な範囲だと考えます。
過去200年の米国株の年平均利回りは6.7% ですから、過去の実績だけで考えれば、どうやら本当に誰でも億万長者になれそうです。
ちなみに、節約を頑張って10%ではなく15%の積み立てをすることができれば、2億円まで増やすことができます。
累計投資額 | 年利7% | |
---|---|---|
10%の積立 | 3,240万円 | 1億3,402万円 |
15%の積立 | 4,860万円 | 2億103万円 |
「平均的な収入」や「10%の積立投資」は頑張り次第でなんとかできそうですし、シミュレーションに含まれていない税金も非課税制度を活用すれば(後述します)、ほぼ問題になりません。
重要なのは「年利7%が再現できるのかどうか」です。
積立投資の根拠
筆者は現在、年利7%を目指して米国株に投資しています。
筆者が行っている積立投資は「インデックス投資」と呼ばれるもので、いくつかの明確な理論や根拠があります。
世界経済の成長に投資する
筆者の積立投資は、世界経済の成長に 投資するイメージで行っています。
これができる投資先は2つあると思っていて、筆者はこのうち「S&P500」に投資をしています。
- 全世界株式
- S&P500(米国の株式市場全体)
では、なぜ「全世界株式」や「米国の株式市場」に投資をすると良いのでしょうか?
根拠① 世界経済は拡大する
これはジェレミー・シーゲル氏の書籍に掲載されている図で、1802~2011年における米国の各市場の「価値の推移」を表しています。Stocksは株式、BondsとBillsは債権(長期債・短期債)、Goldは金で、Dollarは米ドルです。縦 軸が対数目盛になっているので、1目盛りが10倍を表します。
筆者はこの図を見て、「株式市場が最も安定的で投資効率が良い」と感じています。
例えば「建物を建てて、報酬を得る」といった経済活動を行うと、当事者間の「建てた労力」と「購入する対価」に加えて「建物という価値」が残ります(当事者間の等価交換に加えて価値が残る)。この新たに生み出された価値は(基本的には)株式市場に蓄積されていきます。
まとめると、
経済は拡大し続ける
- 株式市場は人間の経済活動を反映する
- 株式市場は200年ものあいだ拡大を続けている
- 平均した1年あたりの利益率は6.7%(Stocks: 6.7% Real)
- 人口の増加や経済発展が続く限り、その傾向も継続する(はず)
ということです。
全世界株式が良いのは、それが世界全体の経済活動の平均であり、世界全体の経済活動を反映しているからです。
米国株が良いのは、それが米国の経済活動の平均であり、米国が最も完全な資本主義経済であり、世界の経済活動の多くを占めているからです。
これが「『全世界株式』や『米国株』への投資が良い」 としている根拠です。
参考:世界人口の推移
世界の人口が増えれば、世界の経済規模が拡大します。下図を見ると、まだまだ増えていきそうです。
国連が2022年に発表した世界人口推計によると、2080年頃に世界人口はピークをつけるようです。
THE WORLD OF POPULATION PROJECTIONS - POPULATIOM MATTERS
根拠② 現代ポートフォリオ理論
「S&P500」というのは米国を代表する500社の株価の平均値で、時価総額を考慮した加重平均で算出されます。
「S&P500に投資する」というのは本来「500社を対象に、各社の時価総額に応じた量の株を買う」ということです。500社もあるので自分でこれをやるのはすごく面倒ですし、ほとんどの投資家は(資金力の不足等で)正確に実行できません。
たくさんの人から資金を集めて、面倒なことを代わりにやってくれるのが「投資信託」という仕組みで、「S&P500に投資する」と言うのはS&P500の投資信託を買えば実現できるわけです。全世界株式も一緒です。
で、このS&P500とか全世界株式に投資することを「インデックス投資」とか「パッシブ運用」というのですが、これにたくさんのメリットがあるんです。
インデックス投資は「最小限の労力で」「平均点を取れる」っていう投資手法
以前、こういうツイートを見かけましたが、インデックス投資をよく表しているなと思いました。
このあたりの根拠になっているのが「現代ポートフォリオ理論」です。1952年にハリー・マーコウィッツによって発表(※)され、その後の研究の結果、マーコウィッツさんは1990年にノーベル経済学賞を受賞しています。
この理論はかなり知られていて、例えば「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015