どんな記事
「あなたの投資は、破産するためにやっているようなものです」
もし本当にそうなら、
その投資、今すぐにでもやめますよね。
筆者のトレードには 99%破産しない根拠があります。
この記事に書いてある内容を読めば、あなたの投資が、
「破産するための投資なのか」
「そうでないのか」
が、分かります。
そして、
「なぜ、そうと分かるのか」と
「破産しないためにどうすれば良いのか」
も、できる限り丁寧に解説してみました。
独自に研究した成果も含め、筆者が知る『破産の確率』の知識をすべて詰め込みました!
ぜひ、お読みください^^
Twitterでも紹介していただいています
『破産の確率』とは
まずは「『破産の確率』とはどういうものなのか」について解説します。
日本人はリスク管理感度が低い?
あなたは、こういう話を聞いたことがありますでしょうか。
農耕民族(日本人)
日本は島国で他国からの侵略を受けた経験が少ないため、リスクに疎いといわれています。また、日本は農耕の国であり、農耕民族は周辺からの際立った侵略もなく、春種を蒔いて秋に収穫するまでじっと待つ習慣に慣れています。そのため、一般的に日本人はリスクコントロールが下手であるといわれています。
狩猟民族(欧米人)
欧州各国は隣国と陸続きであり、他国から侵略を受けやすいなどの地政学的背景もあり民族としてリスクに敏感です。また、元々、狩猟民族として欧州各国は興ってきた国々です。狩猟民族は、周辺からの攻撃、侵略を経験し、攻撃と防衛が生活慣習となっているため、リスクに敏感であり、さらにリスクを経験してきている分、リスクコントロールに慣れています。
引用元: 上田ハーロー、外貨コラム
あるアメリカ人のお母さんは息子に「余裕資金ができたら投資をしなさい」と言ったそうです。一方、ある日本のお父さんは息子に「子供はまだ投資なんて知らなくて良い」と言いました。
これはお笑いコンビの「パックンマックン」が体験した実話だそうです。
実際に、日本において「投資を学ぶことができる場」は非常に少ないですよね。つまり、「資金管理とかリスク管理なんて知らなくて当然」と言えるわけです。その結果、投資で負けてしまう人が多く出てきてしまう のです。
この現状がはたして農耕民族と狩猟民族の違いによるものなのかどうか、本当のところは筆者には分かりませんが、少なくとも実際に「日本人は投資に疎く消極的で」「アメリカ人は投資に積極的」という状況があるようです。
海外勢から、日本人投資家はカモだと見られているような話も聞いたことがあります(真偽のほどは定かではありません)。
「これなら破産はしないだろうな」を数値化する
次のような投資を例にあげて考えてみたいと思います。
- 勝率が6割
- 勝つときの利益と負けるときの損失は同じ金額
(勝つときが1,000円の利益なら、負けるときも1,000円の損失)
この条件で、次のようにチャレンジするとどうなるかイメージしてみてください。
- 毎回、元金全額で投資をする。
- 毎回、元金の1%だけで投資をする。
「1」の場合、ほとんどの人が「すぐに破産してしまう」というイメージを持つ思います。
「運がよくても数回で破産してしまう。資金が尽きて、場合によっては負債を抱えて、強制的に市場から撤退することを余儀なくされる」と、イメージしたのではないでしょうか(ちょっと大げさかな?)。
「2」の場合はどうでしょうか。
儲かるかどうかは別として、「なんとなく破産はしないだろうな」というイメージにならないでしょうか。
この直感的なイメージってけっこう正しくて、これを数値化できるのが『破産の確率』です。
「『破産の確率』を把握してトレードすること」が、「投資において最も必要なことである」と、筆者は考えています。
優秀な手法を持っていたとしても、資金管理やリスク管理ができていないと「アッという間に破産」とか「ビビりすぎて全然儲からない」とか、そういうことになってしまいます。
「破産しない範囲で利益を最大化する」。これが大事です。
リスクと『破産の確率』
次の表は、「勝率が6割で、利益と損失が同じ割合(1:1)」という条件で「元金に対するリスクの割合」を変えたときに『破産の確率』がどのように変化するのかをまとめたものです。
元金に対するリスクの割合 | 破産の確率 |
---|---|
トレード1回で5%のリスク | 0% |
10%のリスク | 1%未満 |
20%のリスク | 10% |
30%のリスク | 50% |
40%のリスク | 100% |
投資金の40% を投じて売買を続けていくと 『破産の確率』は100% です。いつか必ず破産してしまいます。
もちろん例外はあって、例えば大きな利益を出してそこで投資をやめてしまえば破産することはないです。ここでの話はあくまでも「この条件の投資をず〜っと続けていくと」ということ。
勝ちが続くときもあれば負けが続くこともあるけれど、「いつも40%の資金を投じていると、負けが続いたときや、大きな金融ショックがあったときに耐え切れなくなって破産してしまうよね―― 」ということなのです。
投資金に対して40%のリスクをとるというのは意外と身近な話で、そういう投資家はけっこういる と思います。これって実は、かなり危険 です。
バルサラの破産表
さて、上の例ではリスクの割合と『破産の確率』の関係を紹介しましたが、これをさらに細かくまとめたもので「バルサラの破産表」というものがあります。
「リスクを1%」とした場合
この表で分かる通り『破産の確率』はかなりシビアです。
「勝率が50%で利益と損失が同じ割合(損益比率=1)であっても、ずっと投資を続けていくと破産する」のです。
どうして、こういうことが起きるのか。
それは、「例え勝率が50%であっても連敗することがあるから」です。そういうタイミングが続くと資金が耐えられず破産してしまうのです。
「リスクを15%」とした場合
オレンジと黄色のエリアが大きく広がり、赤いエリアも少し広がりました。これは、「リスクを大きく取ったことで『破産の確率』が全体的に上昇したこと」を表しています。
つまり、「リスクと『破産の確率』には密接な関係がある」ということです。
「リスクを40%取る投資家はけっこういる」と書きましたが、それがいかに危険なことか よく分かると思います。
『破産の確率』を左右する5つのポイント
さて、ここからは『破産の確率』の計算に必要な5つのポイントを掘り下げて解説していこうと思います。
勝率
勝率(%) = 勝った取引回数 / すべての取引回数
投資をしていく上で、多くの人が「勝率」を重要視していると思います。
では、勝率が何%なら破産せずに利益を重ねていくことが出来るのでしょうか?
改めて考えてみると、勝率だけで「勝率が●●%なら破産せずいけるでしょ!」って難しくないでしょうか?なぜなら、「勝率だけでは『破産の確率』を測るのに不十分だから」です。
あたり前ですが、勝率100%の投資なら破産することはないです。でも、ひとたび勝率が100%を下まわると、勝率が99%だとしても、破産する可能性はある ということです。そして、その可能性を左右する、勝率以外のポイントがあります。
リスクリワード比率
『破産の確率』を測るのに勝率だけでは不十分だとすると、他にはどのような要素について考えればいいのでしょうか。
例えば、こんな投資はどうでしょう。
- 勝率が50%の投資(100回その投資をすれば50回勝って50回負ける)
- 勝つときは2万円の利益
- 負けるときは1万円の損失
おそらく、「これなら破産しないな」と思うのではないでしょうか。この条件でムリせず投資をすれば『破産の確率』は低いと思われます。
ここで言うところの「2万円の利益」「1万円の損失」、つまり、「利益と損失の関係」は非常に重要 なんです。
リスクリワード比率 = 利益の平均 / 損失の平均
これはリスクリワード比率とかペイオフレシオと言われていて、上の例であればリスクリワード比率は「2倍」(2万円の利益 / 1万円の損失)になります。
3つ目の重要な要素
さて、実はもうひとつ重要な要素があります。
勝率やリスクリワード以上に重要だと考えていますが、ここまで触れているウェブの記事は少ない気がします。ややこしいからでしょうか・・。でもこれ、ホントに大切なんです。
損失の許容(%) = 1回の取引で許容する全投資資金に対する損失の割合
別に難しいものではないですね。シンプルに表現すると、「トレード1回あたりのリスク」ということです。
「リスク」の変動による『破産の確率』の増減
「勝率50%、リスクリワード比率が2倍」という例えがありましたが、この条件で「リスク(損失の許容)」に変化をつけると上図のような『破産の確率』の増減になります。
これは、以下のように考えると分かりやすいと思います。
- 元金100万円
- 勝率50%
- 1口で、勝てば利益2万円、負ければ損失1万円
- 1口から何口でも取引可能
「勝率50%、リスクリワードが2倍」というのは変わりなく、元金と口数の考え方が加わりました。より現実の投資に近づいています。「元金100万円」に対して「1口の負けた場合の損失が1万円」ですから、「リスク(損失の許容)」は1%ですね。
「『リスク』に変化をつける」というのは、口数の変化です。
これを5口でトレードすると「リスク(損失の許容)」は5%になりますが、その場合でも『破産の確率』は0%です。しかし**10口(10%)にしたところから『破産の確率』が上がり始め、15口(15%)で4%、30口(30%)で20%**になります。
このように1回あたりの「リスク」も非常に重要なのです。あまり認知されていないことを考えると、「最も重要」と言っても過言ではないかもしれません。
より詳細な「バルサラの破産表」
さてさて、そんな「勝率」と「リスクリワード(損益比率)」「リスク(損失の許容)」ですが、それぞれに変化をつけて「バルサラの破産表」を作成してみました。

この表の推移をみれば、「リスク(損失の許容)」の増減が『破産の確率』に大きな影響を与えることが分かってもらえるのではないでしょうか。
もちろん「勝率」も大事です。
しかし、それと同じくらい「リスクリワード」や「損失の許容(どれくらいのリスクをとるか)」もすごく重要だということが伝わると思います。
「定額・定率」と「資金量」
他にも二つ、『破産の確率』を左右する要素があります。
それは、「損失の許容が『定額』であるか『定率』であるか」ということと、「投資を始めるときの資金量」です。
定額
100万円の資金に対して損失の許容を20%とした場合、当初の資金100万円が投資の結果によって増減しても常に20万円の許容で投資し続ける。(資金が200万円に増えても20万円。減って50万円になっても20万円のまま)
定率
同様に損失の許容を20%とした場合、投資の結果によって増減した資金の20%の許容で投資をする。(資金が200万円に増えた場合は40万円。資金が50万円になった場合は10万円とする)
これまでの表は、すべて「リスク(損失の許容)」を「定額」とした場合のものでした。次の表は「定率」で「資金量」に変化をつけたものです。

「リスク(損失の許容)」を「定率」とすることで、損失発生時のリスクを軽減し、利益が生じているときにはそのチャンスをより追求していくことができます。これによって『破産の確率』がおさえられると考えられます。
また、「定率」で他の要素が一定の場合には、スタートの資金量が多い方が『破産の確率』が抑えられることも分かります。
『破産の確率』を活用する
ここまで、筆者が知る『破産の確率』の知識をすべて詰め込んできました。お読みいただいた方には「『破産の確率』の何たるか」が伝わったかと思います。(伝わっていてほしい)
伝わっていない方も大丈夫です。この記事を何度も読み直して、それでも分からないことがあればご質問ください。何でもお答えします^^
ここからは、いよいよ『破産の確率』の活用法です。
『破産の確率』による「リスク管理」
『破産の確率』を実戦に取り入れる方法はすごく簡単です。すべてのトレードで、「一定のリスクの損切りを必ず設定する」だけです。
そして、例えば15%のリスクを取るなら、
- 勝率が6割以上で、利益は損失の2倍
- 勝率が7割なら、利益は損失と同じくらい
を、継続すればいいだけなんです。
これを続けていければ破産することはないはずです。
例えば、「トヨタの株」や「米ドル/円」なら次のようにします。
元金を100万円でリスクを15万円(元金の15%)に抑える損切り幅
トヨタ自動車
「15万円 / 100株」で「150円」
「15万円 / 200株」で「75円」
米ドル/円
「15万円 / 1000通貨」で「15円」
「15万円 / 2000通貨」で「7円50銭」
このように、取引量に応じて損切りの幅を調整します。目標の損切り幅がある場合は取引量で調整することができるわけです。
リスクを抑えた上で、「勝率6割以上、利益が損失の2倍」「勝率7割以上、利益が損失と同程度」を目指すとトータルで利益になります。リスクを抑えないと、連敗による破産の道を辿ることになります。
これらの目安がわかっているだけで、トレードの意識が大きく変わります。何よりも、「目指すべき数字があること」が1番大切です。
具体的な行動のスキーム
まずは「トレードの記録をつけて、自分の『勝率』や『利益と損失の割合』『取っているリスク』を知ること」。これは「絶対にやるべき」です。
具体的には次のようなスキームで行います。
- 『破産の確率』で計算し、目指すべき「勝率」「リスクリワード」「リスクの取り方(損失の許容)」を定める
- 定めたリスクでの損切りを徹底しながら、トレードする
- このとき、必ずトレード記録をつけること
- 定期的に『破産の確率』のチェックを行う
- 「リスク制限」の徹底
- トレード記録から算出した過去の「勝率」「リスクリワード」
- 想定通りできているか
- できていなければ軌道修正
これをやるだけで、破産する確率がグッと下がる と思います。
そして、この記事をここまでしっかりお読みくださったあなたなら、「『リスク』を把握せずにトレードする」ということに大変な危機感を覚えているはずです。筆者は「その感覚が何よりも重要」だと考えています。
「攻めのリスク管理」
もっともっとレベルの高い活用方法があります。
その方法については、以前、「株やFXで破産せずに利益を最大化する3つのポイント|攻めのリスク管理」という記事でご紹介していますので、ご興味のある方はお読みください^^
「期待値」「大数の法則」「破産の確率」をもとにした数学的なスキームで、破産しない範囲でリターンを最大化するものです。
おまけ1: 勝率99%で破産
冒頭にあった、「勝率が99%で破産する条件」はこのようになります。
こういう可能性はあるんです。twitterを見てるとこういう人は、ホントにビックリするんですが、意外と、たくさんいます。そういう方を除けば、よっぽど下手でない限り「勝率99%で破産」はないと思います。
おまけ2: 破産の確率 計算機
あなたのトレードの『破産の確率』を計算することができます!
ぜひ、ご活用ください^^
まとめ:株やFXで破産しないために
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
この記事は『破産の確率』をテーマに、筆者が知る限りの情報を「これでもかっ!」と、すべて詰め込みました^^
投資をしていると、どうしても大きな利益を狙いたくなります。
「1年で資金を2倍にする」、もしくはそれ以上の希望を抱いて投資をしている人も少なくないと思います。
今この記事を読んでいるあなたに、もし思い当たる節があるのなら、「どれくらいの利益を上げればそれが達成できるのか」一度計算してみることをオススメします。
きっと、現実的な数字でないことが分かると思います。
投資のプロ集団であるファンドも、年間でせいぜい20%程度の利益です。もっと利益がでる年もありますが、負ける年もあります。
プロが1日中投資のことを考えて、その結果なんです。対する兼業トレーダーが1年で2倍とかそれ以上の利益とか、難しくて当然なんです。なぜなら、「(手法を改善せずに)大きな利益を狙うということは、その分のリスクを取る」ということだからです。リスクを取れば取るほどにトレードはギャンブル的なものになっていきます。(個人投資家にしかないメリットもありますけどね)
投資は傷が浅ければ何度でもリトライすることができます。そういう意味で『破産の確率』は「投資の基礎のキソ」であり、最も重要です。
そして、その基礎ができていればトライ・アンド・エラーを繰り返しながらトレードの技術を磨いていくことができます。
根気強く技術を磨いて行けば、その先には明るい未来が待っているはずです。この記事を参考に、ぜひ、良いトレードライフをお送りください^^!
- 記事をシェア