「大数の法則」は本当に有効か(実験してみた)

Posted on December 6th, 2016Updated on May 7th, 2019
「大数の法則」は本当に有効か(実験してみた)

※ この記事は最終更新日から5年以上が経過しています。

どんな記事

4月の記事で「大数の法則」を取り上げたことがありましたが、今回はその実証というか、証明のための簡単な実験をしてみたいと思います。

さらに詳しい記事を書きました

株やFX、すべての投資で重要! 勝つための「期待値」と「大数の法則」

「大数の法則」とは

「大数の法則」は、数学の「統計学」や「確率論」の法則です。その法則を投資に活かすことができるんです。
なんとなく「数学の~」とか言うと小難しく感じがちですが、この法則自体はスゴクあたり前のことを言っています。

数多くの試行を重ねることにより事象の出現回数が理論上の値に近づく定理のこと

めちゃくちゃ簡単なことを言ってますよね!
ただ、いざ投資をはじめてみたときに、この概念と投資とが結びついているトレーダーが意外と少ない。僕自身、勉強していなかったら気がついていなかったと思います。

実験をする

まずは、「大数の法則」を表計算を使った簡単な実験で確かめてみます。今回は次のような実験を行ってみました。

  • サイコロを振って1~3の目が出た数をカウント
  • 全体の数に対する1~3の目の割合をサイコロを投げる度に計測
  • その推移をグラフにする
  • 1セット1000回を10セット計測する
  • 理論値は50%
※ 表計算のランダム関数を使用

すると、次のような結果になりました。

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なんとなく雰囲気で50%に収束していることが分かると思います。

「あたり前じゃん」と思う方もいるかもしれません。そうなんです。あたり前なんです。しかし、改めてサイコロでやってみると非常に分かりやすい。小学生でも分かるかもしれません。

ピンクの線を少し太くしてみましたが、確率50%の事象でもこれだけの連敗があります。「勝率50%だから2回に1回勝てる」なんてとんでもない。7連敗しています。でも、100回を超えたあたりから、ほぼ50%に収束しています。これが「大数の法則」です。

何が分かるのか

そもそもの大前提として「100%勝てる投資」なんてものは存在しません。

「このシグナルとこのシグナルが出ていたら必ず勝てる!」とか、「米大統領選でこういう結果だったら絶対こうなる!」なんてことは「絶対」にありえません。

そして、そこに「絶対」がないのなら、勝率が仮に80%であっても、連敗の可能性は(思っている以上に)あるんです。

  • 回数を重ねれば確率を味方につけることができる
  • 連敗は避けられない

本当に「連敗は避けられない」のであるならば、連敗してしまった場合に資金の大半がなくなってしまうようなトレードはよくないですよね。

投資に活かす

この「大数の法則」をどのように活かすのか。

もちろん日々のトレードに活用するのですが、筆者は、「トレードルールをつくるとき」に最も意識するようにしています。

具体的には、信頼に足る量のバックテストを行い、ルールに組み込む手法の勝率やリスクリワード比率を導き出します。

勝率とリスクリワード比率が分かればその手法の期待値がわかりますから、「大数の法則」にのっとってトレード回数を重ねていけば、自ずとその結果に収束していくはずです。

筆者も、現在この点を踏まえてトレードルールを再構築中です!ぜひ皆さんも「大数の法則」をご活用ください!

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yuya takahashi

タカハシ / 11年目の兼業投資家

投資やプログラミング、動画コンテンツの撮影・制作・編集などが得意。更新のお知らせは、LINE、メールで行っています。

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