複利を投資に活かす#2: 複利の罠

複利を投資に活かす#2: 複利の罠
株式投資やFXにおいて、複利の威力は絶大です。しかし、複利には巧妙な罠がひそんでいます。
一見、公平・有利な条件にみえても、「トレードしていたら、いつの間にか資産が減っていた」なんてことが往々にしてあります。複利での運用において注意すべき点を解説します。

複利の罠

  1. 公平なゲーム
  2. 有利なゲーム
  3. 複利のようで複利じゃない
  4. 複利で失敗しないために
  5. 続きを書く

1.公平なゲーム

次のようなゲームがあったら、あなたはやるだろうか?

トランプが10枚ある。ハートが5枚、スペードが5枚。シャッフルして順番に引いていき、ハートがでたら勝ち、スペードがでたら負けとする。トランプ10枚をすべて引き終わったらゲームは終了である。

元金は10万円。勝ったら50%増えて、負けたら50%減る。

いたって公平なゲームですよね。最初、勝ったら15万円になって、負けたら5万円になる。例えば、1回目を負けてしまって5万円になったら、2回目は5万円の50%。勝てば7万5千円になり、負ければ2万5千円になる。

勝ち負けのカードの枚数は同じなので、50%のリターンが5回で、50%のロスが5回ですね。どうでしょう、このゲームに不公平さを感じる人は少ないんじゃないでしょうか。物足りない人は多いかもしれないけど。

ただ、このゲームは公平だけどメリットもないので、あんまりやる意味を感じないかもしれませんね。

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2.有利なゲーム

じゃあ、次のようなゲームならどうでしょう。
基本はそのままで、一部だけルールを変えてみます。

ゲーム①
「勝:50%増える、負:40%減る」としたもの。*1
ゲーム②
「トランプ10枚中8枚引いた段階で、勝っていたらそこでゲーム終了しても良い」としたもの。*2

*1.回数は10回のまま。

*2.勝ち: 50%、負け: 50%のまま。

こうなってくると結構有利ですよね。だって、ゲーム①は全10回のうち5回は50%のリターンで、残りの5回は40%のロスで済むんです。ゲーム②も、勝っても負けても50%のままだけど、8回目が終わって勝ってたら、そこでゲーム終了でしちゃっていいんです。けっこう破格の条件だと思います。
どうでしょう、この条件ならメリットを感じる人が増えるんじゃないでしょうか。

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3.複利のようで複利じゃない

さて、ゲームの結果はどうなるでしょうか。
先に結論をいっちゃうと、実は、どのゲームも最終的には全部負けちゃいます。

やってみようかなと思った方とかメリットを感じた方は、残念だけど、複利の罠にはまっちゃってます。

ゲームの検証

最初のゲーム

元金
100,000
win♥
150,000
lose♠
75,000
win♥
112,500
lose♠
56,250
lose♠
28,125
win♥
42,188
win♥
63,282
lose♠
31,642
win♥
47,463
lose♠
23,732

ゲーム①

元金
100,000
lose♠
60,000
lose♠
36,000
win♥
54,000
win♥
81,000
win♥
121,500
lose♠
72,900
win♥
109,350
win♥
164,025
lose♠
98,415
lose♠
59,049

ゲーム②

元金
100,000
win♥
150,000
win♥
225,000
lose♠
112,500
win♥
168,750
lose♠
84,375
lose♠
42,188
win♥
63,282
win♥
94,923

* 小数点以下は四捨五入しています。

どうでしょう。見事に全部損してますね。ゲーム②は8回目までに5回勝ったことにしています。それでも負けちゃうんです。ここまで読んでくださった方は、それぞれ色々な考えの上で検証結果をご覧になったと思います。この結果って、「複利のことは知らなかったけどなんとなく疑ってかかってた」みたいな方にとっても、予想以上に悪い結果なんじゃないかなと思います。

さて、ここまでのゲームはちょっと極端な損益ですけど、5%でも10%でも良いです、ちょっと投資に置き換えて考えてみてください。

勝率は50%です。リスクリワード比は5:4なので、1.25倍。こういう投資があったら、これ、勝てないんです。
年間で50%勝てる年もあれば、50%負ける年もある。それが8年で5回勝って、3回負けたんだよなーっていう人、その投資は勝てないんです。

これって、そういうことなんです。

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4.複利で失敗しないために

じゃあ、なんでこんなことになるんでしょうね。一見、条件は同じ感じに見えるんですけどね。
そういう方は、次のように考えてみるとわかりやすいかもしれません。

勝ちと負けの条件が公平なら、1回負けて1回勝ったら、元の数字に戻らなければならない。

10 * 0.5 = 5 (50%の損失)
5 * 1.5 = 7.5 (50%の利益)

5 * 2 = 10

つまり、勝ち50%と負け50%は全然公平じゃないんですね。「半分」に対するのは「倍」です。2分の1に対するなら、2を掛けないといけないんです。そうでないと、公平じゃない。同じ50%でも、資金が減るときの50%と、資金が増える時の50%は全然インパクトが違うんです。

複利で運用していくうえで、注意点が2つあります。

1. 同じパーセンテージでも勝ちと負けでは全然違う

2. 複利で運用するなら、その間、できる限り損失があってはならない

できる限りというか、複利で運用するなら損失はダメです。複利は、基準の期間(年ごと、月ごとなど)が短ければ短いほど、その効果を大きく発揮します。だけど、基準の期間を短くすればするほど、マイナスの期間がでてくる可能性が高くなります。

例えば1年なら1年。年区切りで考えていけば、十中八九、利益で終えることができるというとトレードルールをつくる。そして、複利で運用していく。こういうことが必要になる。

もしくは、年区切りで破産の確率をだすのも有効だと思う。

とにかく、こういうことが必要。こういうことをしないと、利益がでているつもりでいたけど、なんか気がついたらトータルでマイナスに――なんてことが起きちゃうことが往々にしてあるんです。

それって、複利で運用している「つもり」なだけで、全然複利じゃないんです。
ぜひ、日々の運用の中で、この点に注意していただけたらと思います。

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